さて、更に海の麓まで降りて行くと、
ようやく到着したのがこちらの洋館 Villa del sol です。
こちらは界の別館で、洋室のオーベルジュとなっているそうです。
徳川家の建物だったものをここ熱海に移築したものだとか。
館内のつくりも調度品もとても美しく優雅な空間です。
海を眺めるラウンジスペース。
チェックインや食事を待つ人が寛ぐ場所になっています。
ヘリンボーン張りの床も全て移築の際に持って来たものだとか。
経年変化が、重ねて来た時間を感じさせます。
なんとも味わい深い素材に囲まれて、ゆったりと寛いで食事がとれそうです。
海が眺められる窓辺の席のテーブルセッティング。
この夜はどんなお客様がここを訪れるのでしょうか。
さて、一番下まで降りたので、
あとはここまで来た道を再び上って帰ります。
大丈夫ですか?…と訪ねられ、「大丈夫でーす!」と答えたものの、
皆足はフラフラ、ふくらはぎはパンパン。
それでも、ただひたすらにこれまでの階段を上って帰るより他ありません。
えっちらおっちらと登り続けて、やっと我々が泊まる棟までたどり着き、
それぞれのお部屋の中も見せて頂きました。
床の間の設えも素敵です。
この辺は、旧旅館蓬莱の面影を残しているのでしょうか。
それぞれの部屋に広縁が着いていて、海が眺められるようになっていました。
このほんの奥行き有効1500mm程度のスペースがなんとも言えずに居心地が良くて、
いつかどこかで機会があれば、
自分の家にも広縁が作りたい…と、夢を思い描くのでした。
お部屋見学の後、
最後は夜に芸妓さんがきて一緒に遊んだりもできるラウンジスペースへ。
こちらはクラッシックな洋風の造りでした。
床も壁の色もグリーン系で統一されていたのですが、
腰壁や建具に使われている木の材とも非常によくあっていて、
古いながらも、とても美しくまとまった空間でした。
町歩きもして、宿の館内散策もして。
この日は相当に歩き回った一日でした。
既に日も暮れ、喉はからから、おなかもペコペコ。
いよいよ、楽しみだった宴会開始です。
先付 茶ぶりさざえ
八寸 からすみ白玉・鶏と干し葡萄の松風・合鴨ロース
鮭の幽庵焼き・季節果実の白和え
酢大根の茸挟み・甘海老の老酒漬け・酢橘釜
お椀 松茸の土瓶蒸し
海老・甘鯛・酢橘
お造り 界熱海流 お造り取り合わせ
揚げ物 鶏と根菜とフォアグラの東寺揚げ
茸天婦羅 抹茶塩
蓋物 湯葉のおぼろ蒸し
台の物 金目鯛の八香蒸し
食事 白飯 止め椀 香の物
甘味 栗のデザート
…というお品書きのお料理でした。
感動的なお料理で…ってなワケではなかったですが、
いっぱい歩いた後のご飯を残さず食べて、お腹いっぱい。
そしてやはり結局、
あの温泉までの道を思い浮かべつつもよく飲みました。
でも、更に夜はまだまだこれから。
この後、温泉に入ったりお部屋でまったりしながら語らっていたり、
芸妓さんと一緒にお扇子でお座敷遊びをしたり、
再度集合がかかって幹事さんのお部屋で飲み直したり。
まるで数十年ぶりの修学旅行みたいにワイワイワイと賑やかな旅の夜。
存分に満喫して、部屋にもどって布団に入ったら、
あっという間に眠りについたのでした。
No Comments