2年前の春に夫の父が亡くなり、
一人で暮らしていた母も昨年末に入院して以来、
高知の実家がずっと空き家となってしまいました。
そこにあった仏壇を誰もお世話することができなくなってしまったので、
我が家の方で全て引き取ってお祀りするしかないねという話になりました。
とは言え、仕事柄住まいを自分たちらしく
好みのデザインを実現しながらリフォームして暮らしているので、
「ザ・仏壇!」というものを部屋の真ん中に置くのも許容できません。
あれこれ調べてみましたが、
最近デザイン性の高い仏壇もちらほら出てきているものの、
我が家に置くために納得のいくものはなかなか見つかりませんでした。
そこで、思い切ってオリジナルの仏壇+家具をデザインすることにしました。
ただでさえ壁の少ない我が家。
置ける場所は限定されいます。
収納やテレビも納めなくてはならない妻側の壁に一体化したデザインで、
カウンターの上に仏壇も組み込むことにしました。
テレビ台は柱型を背にして斜めに配置。
その下の空間を利用して、
今まで圧迫感のある配置だったレーザープリンターを納めることにします。
大まかなデザインのイメージが決まったら、
仕事で時々お世話になっている家具屋さんにまずは概算のお見積り依頼。
今回は田中木工所さんにお願いしました。
例の如く、あれこれ盛り込みすぎて予算をかなりオーバーしていたので、
内容を精査して予算内に納める調整をします。
製作の確約をしてから、製作図の依頼をかけました。
現場採寸後、細かい寸法の入った図面を作成してもらい、
そこに詳細をチェックして更にブラッシュアップしていきます。
テレビやプリンター、プリンターサーバーになるMacBookなど、
諸々の配線ルートも整理して開口部位や、
そこに設置するキャップの色までも指定します。
蝶番や扉の框の巾、
手がけのデザインや見えがかりの寸法なども細かく指示。
ここはオタク的こだわり満載です。
でも裏側のちょっとした隙間は
自分の家だしテレビの裏だから気にしませんって言ったら、
家具屋さんの方が「そこは気持ち悪いからちゃんと塞ぎます」
って言ってくれました。
こういう一緒に作り上げるやりとりが、
凄く楽しいです。
かくして製作図面もまとまり、使う素材も決まりました。
当初は突板と塗装が希望でしたが、
予算オーバーだったのでメラミン材に。
仏壇扉には我が家の大好きな組子を使います。
その組子デザインはかなりじっくりと検討。
あるところで決めようと思いましたが、どうしても納得できず、
別の職人さんを見つけてご連絡させていただきました。
蝶番や把手は真鍮鋳肌素地や仙徳色。
少しアンティークな味わいのあるものを使います。
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