01.赤堤の家

 

奇を衒わず、上質な建築物を構築すること


世田谷赤堤の二世帯住宅の設計に携わりました。地下一階地上二階建てのRC造。
延べ床面積399.88㎡。
閑静な住宅街である周囲の環境に溶け込みつつ、品格と上質さを醸し出す外観となるよう配慮してデザインしました。
RCの打ち放しとタイル、木調ルーバーなどの各素材がバランスよく配置され、ファサードに変化とリズムを与えています。
 
 

赤堤の家

一つ一つの素材感を大切にした選択


上質な住まいの演出と暮らしやすい間取り

地下が共同の駐車場。1階が親世帯。2階が息子世帯の二世帯住宅の構成です。
各世帯はエレベーターで行き来はできますが、ほぼ完全に独立したプランとなりました。
南側の庭に面した広々としたリビングダイニングと、菱形の敷地なりに延びる西側の個室部分とが、
L型に庭を取り囲んでいます。
バリアフリーとして、家族の高齢化にも対応しました。
デザインと機能性を兼ね備えた住まいとなることを心がけて設計を進めました。

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ファサードアイテム

写真上左)丁寧に打たれたコンクリート。味わいのあるアースカラーのボーダータイル。
     木調ルーバー。
写真上右)錆風塗装の1階エントランスと、橡の木の木製玄関ドア。
写真下) 赤みのある木目と補色関係となるグリーン系スレートの天然石。
     木製ガレージシャッター。

いずれもそれぞれ個性のあるアイテムを、
面積とボリュームのバランスをみながら各所に配置して表情を出しています。
本物の素材の良さを堪能できる使い方を心がけて使用しました。
橡の木の玄関扉は、その木目の大胆さが何とも言えない味わいを醸し出しています。
 

 
 
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1階親世帯インテリアデザイン
 
写真上)リビングダイニングからキッチンと和室を見る。
写真下左)和室内部の設え
写真下右)パウダールーム
 
1階のテーマカラーは赤。
全体的には白を貴重として、差し色として各所に赤を使用しました。
キッチンの面材も赤。和室の建具も柿渋調の塗装で赤みを帯びた色を使用しています。
和室障子はオリジナルでデザインしました。

1階主寝室

庭に面した開口と、三角形の出窓から光の差し込む主寝室。
ここから直接トイレにも出入りが可能で、洗面・浴室にも隣接しています。
充実のウォークインクローゼットも備えており、使いやすい間取りとなっています。

 
 
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2階息子世帯インテリアデザイン

写真上)キッチンからリビングダイニングを見る。
写真下左)リビングからダイニングを見る。
写真下右)リビング背面の壁面。

2階のテーマカラーはブルー。
壁面のクロスなどを所々アクセントで貼り分けて差し色として使用しています。
天井は1階同様建築化照明を仕込んで調光もできるようにしました。
床と壁面収納、扉等は白で統一して広々と見えるように。

 
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家族と対話しながらのキッチン

小さなお子さんの居る息子さん世帯のキッチンはフルオープン。
背面に収納を充実させて、
キッチンの前のダイニングスペースとリビングには完全に開かれたキッチンとしています。
子供さんの様子を見ながら家事が出来るプランとしました。

 
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 爽やかなタイル張りの水まわり

 ベッセルタイプの洗面カウンターや手洗いカウンター。
輸入品の陶器のボウルや水栓金具がスタイリッシュに配置されています。
下部には配管を隠しつつ収納もできるようにカウンターを製作しました。
爽やかなブルーのタイルが彩りを添えています。

南側外観

庭に面して大きく開口部を取った南側は、深い軒のあるデザインとして一部を木調ルーバーを設置しています。やんわりと外部からの視線を遮りつつ、内部からの視線はぬけるように配慮しました。ルーバー越しに庭の豊かな樹木を眺めるのはとても心地がよいです。奥行きのあるバルコニーでは、カフェのテラス席のようにテーブルや椅子も置いて食事もできるようになっています。


 

バルコニー詳細

庇まで延びる木調ルーバーと、ガラス手摺が並ぶバルコニー。
適度な包まれ感と抜け感とを共に感じられる空間になっています。
木調ルーバーは、室外機関係も外部からあまり見えないような目隠しの役割も担っています。
1階部分には、橡の木のエントランスドアが見えます。