02.安暖亭

 

コンパクトにゆったりと暮らす


息子さん家族と代替わりで、敷地内離れの建物を全面改装して生活することとしたご夫妻の家。
70代ではあるものの、まだお元気なお二人の住まいを、将来も見据えつつリフォームしました。
手入れも楽なコンパクトな建物。間取りをシンプルにして使い勝手もよくなるような計画としています。

 

 

安暖亭

暖かく、心穏やかに過ごせる住まい


寝室はいましばらく2階に

急勾配だった既存階段をゆるやかに登りやすくして、
足腰が動くうちは2階を寝室として使用する計画としています。
それにより、1階スペースを日中過ごす空間として、ゆったりとした面積を確保しています。
吹き抜けに面した障子越しにトップライトからの灯りも差し込み、風も通り抜ける気持ちよい部屋からは、
下に居る家族の気配も感じられるようにもなっています。


 

DENスペース
 
扉を開けるとリビングと一体化するDENスペース。
しばらくはご主人様の書斎コーナーとして使用予定です。
将来、2階寝室で階段の上り下りがしんどくなったら、ここを寝室にする予定としています。

 
  

コンパクトに機能を集約

対面式カウンターキッチンは、背面に収納量を充実させました。
お施主様もカウンターで食事をとって、すぐに片付けられるのが楽とおっしゃっていました。
キッチン側からはリビングも見渡せて、その向こうのテラスや庭まで視線が抜ける気持ちよさ。
小さくても、開放感が感じられるキッチンとなりました。
これまで大きな家の大きな独立型キッチンでの調理とは、
手入れのしやすさも気持ちの良さもがらりと変わりました。

 
007 玄関見返し 04吹抜け見上げ

伸びやかさを感じられるプラン

 玄関入口はオリジナルのガラス入り格子戸。
庭の緑が格子越しに眺められます。
その左右に電話台や下足入れを造作して、使うべき所への収納を充実させました。
いずれも高齢のご夫婦でも使いやすい、高すぎない高さに設定しています。
そして見上げれば、2階へとつながる吹き抜けが伸びやかに広がっています。

DENよりリビングを見返す

床はオイル系仕上の3層積層フローリングで、電気式床暖房を敷設しました。やさしい肌触りの床材と珪藻土の壁で、心安らぐ空間を演出しています。
木部は少し赤みがかった色で統一して、壁の珪藻土はクリームイエローのものを選びました。
素材感と色との両方で、あたたかみを出しています。

 


テラス入りの玄関

玄関の手前にサンルームテラスを設置しました。
冬や雨の日でもここに洗濯物が干せるようになっています。
扉手前の敷台は、既存で使っていた無垢材の一枚板を塗装して再利用しました。