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これが「noi」の造る空間


自邸兼アトリエの設計・監理を自ら行いました。
築30年の中古マンションをスケルトンにして、全面的にリフォーム。
建物自体の持つの古さと味わいを活かしつつ、異国情緒と日本的要素が融合した、
独特の世界感と雰囲気の漂う空間となりました。
デザインの要となっているのは、全てオリジナルデザインの木製建具です。
レースのように繊細な組子細工は、美しい陰影を室内に落としています。
「色彩」と、「光と影」を駆使したデザインは一見アヴァンギャルドに見えながらも、
一歩足を踏み入れただけでふっと落ち着きを感じる空間を演出していて、
とても居心地のよい住まいでありアトリエとなっています。
 
 

Architects studio noi

混沌の中の調和


一つ一つ丁寧に選ばれ、紡がれた素材たち

優しい光が差し込む寝室。
寝心地を重視して選んだマットレスの上には、家全体のテーマカラーとなる黄緑をアクセントとして、
シックな色合いのクッションやピローが贅沢に並べています。
一見無造作のように配置された各アイテムは、
それぞれに色や素材感の配分を計算されて配置されています。
全く自然でありながら、何気なく集められた要素たちのようでありながら、
一つの空間の中で調和がとれて共存し混じり合っています。

日本の職人技 組子細工の建具 

日本の伝統柄をモティーフにデザインした組子細工の建具。この家の設計で最もやりたかったことがこの建具でした。透かし模様の組子の間から隣の部屋の気配と灯りがもれる設えとなっていて、夜寝室側の灯りを灯すと、リビング側からはこの組子細工越しに透ける美しい模様の影を楽しむことができます。
鳥かごのような寝床の壁はえび茶色のスウェード調ペンキ塗り仕上で天井まで塗込めました。心地よい包まれ感を味わいながら、ゆったりとリラックスできる寝室となっています。 
 

 
 5a89c77ajpeg全て無垢材のオリジナル建具
 
 内装のデザインというと、床材や壁天井の仕上ばかり注目されがちですが、実は建具によってその空間の品質は大きく左右されると私たちは考えています。想像以上にコストのかかる部分ではありますが、そこをないがしろにせずにきちんとつくり込むことによって味わいが更に深くなり、その家の個性も際立つものとなります。この設計では特に、古き良き昭和ノスタルジーを彷彿とさせるようなデザインの引戸をオリジナルでデザインして製作し、設置しました。塗装もわざと拭き取り仕上として、新品なのに既に使い込まれたような風合いを出しました。

手づくりの風合い ガラスモザイクタイル

リビングダイニングの壁一面には、輸入もののガラスモザイクタイルを貼ってアクセントウォールとしています。細長の造作棚の背面には紫色の塗装を施して、ガラスモザイクとの対比を楽しむデザインとなっています。目地もラフなガタガタの感じで、より一層味わい深い壁に。家族の写真やコレクション、花などが無造作に飾られているnoiファミリーのディスプレイコーナーとしても活用しています。


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ノイカラーの壁

キッチンに立つと正面に見える壁には、noiのイメージカラーとしているヴィヴィッドな黄緑色を塗装しました。友人のタイルアート作家さんがつくってくれたスペインタイルアートを飾って更に華やかな彩りと素材感を加えています。黄緑色は、明るく元気が出る色。それでいて、植物の若葉色がどの花の色とも相性がいいように、意外にもとてもあわせやすい色なのです。この家のデザインでは、この黄緑と濃いパープルをテーマカラーとしています。


ダイニング兼Office

ダイニングには大きなホワイトアッシュ無垢材の大テーブルを設置しています。そのサイズは1900x1200。大人数の友人が集まったパーティーでも、普段の仕事で図面や資料を広げても、家族団らんでも大活躍のスペースです。そして椅子もオフィス用のデザインチェア。長時間の作業でも疲れにくい構造のものを選択しています。張り地も家のカラーにあわせて選択。機能的でありながらもやわらかさや自然の風合いが感じられるエッセンスを織り混ぜました。 


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ラグ・クッション

ラグやクッション、カーテン等も全体のインテリアのトーンにあわせてコーディネートしました。
スペインから船で渡って来たラグはサイズ違いの丸形で、ラフに床に配置しています。
ダークなチョコレート色の床にシックながらも個性のある色味が映えました。  

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開放的な司令塔 キッチン

キッチンはリビングダイニングが見渡せる家の中心に配置しています。
子供の様子を見ながら、お客様を接客しながらの調理が可能です。
奥行きの深いカウンターは、大勢が訪れる宴の準備も余裕でこなせる広さです。
充実の収納も装備して、使い勝手の良さも追求しました。
コンロ脇のタイルは深いボルドー色。
正面の黄緑色の壁との対比で、スタイリッシュに個性豊かに演出しています。 

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明るく伸びやかな空間

リビングダイニングは、子供が小さいうちにはあまり大きな家具も置かずに伸びやかな空間として使用しています。
とにかく人が集まり、そしてなんだかまったりと寛いでしまうこの部屋にいると、
時の経つのを思わず忘れてしまいます。
実はこれこそが、我々noiスタッフが目指している空間づくりとも言えます。
それはくっきりと目に見えたり測ったりすることはできないですが、
「空気感をもデザインする」ということを、少しでもこの写真たちから感じて頂ければと願っています。