建具をちゃんと、つくるということ
建具の存在感と影響力
上質な家具を越える存在感
写真左) 組子細工の3本引戸。釘を1本も使わない見事な職人技。
寝室に灯りを灯すと、この組子越しに光と影がリビングに漏れる。
写真右) 可能な限り引戸を使用して、室と室との境界線をなくす。
少しレトロなデザインで、ノスタルジックに演出。
天井いっぱいの格子引戸
ガラスの格子戸は、その両面に格子を入れてどちらの面から見ても美しい納まりとします。
重さが重くなりすぎず、且つ、天然木の材が反ったりしない部材サイズを検討しながらデザインしています。
無駄な枠やレールがなるべく目立たないようにしつつ、
開けた時も閉じた時も美しくなる納まりを考えて取り入れるようにします。
ビストロの入口みたいに
家の全ての建具を製作ものとすると、コストも相当に上がることとなってしまいます。
全体のバランスを見つつ、メインのLDK入口ドア1つをデザインしたケースがこちらです。
玄関ドアを開けると、この天然木突板のドアが正面でお出迎えしてくれます。
我が家に帰って来たのに、「いらっしゃいませ」なんて声が聞こえそうなデザインのドア。
レバーハンドルなどの金物も、建具のイメージに合わせて選択しています。
少々レトロで、和モダンな建具
全ての建具を製作ものとした場合の事例です。
デザインはそれぞれ部位によって違っても、色を部屋の床材に合わせてまとめることで、
全体に統一感がでます。
見事な職人の手わざが光る建具は、空間をぴりっと引き締めます。
ダイナミックな天然木の建具やシャッター
玄関扉に使用した、橡の木の木目がダイナミックなドア。
拭き漆風の仕上に似せた、耐候性のある塗装としました。
ガレージやその脇の扉も木製にすることで、ファサードに自然の表情を与えています。
さまざまな風合い
お施主様のご希望だった真っ赤な鏡面の収納扉。
形だけでなく色味や仕上げも考え抜いてデザインした柿渋風塗装の和室の障子、などなど。
派手になりすぎずあくまでも品よく、でも個性豊かなデザインを心がけて、
バランス感覚を駆使して独特の雰囲気のある世界観を醸し出しています。
既成建具と製作建具との組み合わせ
上記の事例以外にも、非常にグレード感のある既存建具の場合はなるべくそれを残して、
上手くその存在感とグレード感を活かした形でインテリアをまとめたりもします。
コストとのバランスを見ながら、建具づかいを駆使することによって、
空間の上質感をより高められるように心がけて計画しています。