箱根の小旅行。
彫刻の森美術館の後は、
芦ノ湖を船で移動して箱根プリンスへ向かいました。
残念ながら、宿泊はこの建物ではなく山小屋風のコテージでしたが、
温泉につかったり翌日の朝食を食べたりと、
村野藤吾氏設計の建物探訪も満喫してきました。
こちらは別館のロビースペース。
間接照明の形状が雲形になっていたりして、
天井の意匠も凝っています。
吹き抜けの手摺部分。
笠木もガラスも化粧のSUSも、Rに加工されて納まっています。
すごいな〜。
続いて本館へ。
ここがこの建物一番の見どころ、ロビー。
R型に中央で上がっている天井は、
コルビジェのロンシャンの教会の屋根を彷彿とさせます。
ここで本当に結婚式でも挙げられそうな、ドラマティックな空間。
連立する柱壁と壁の間には、程よく包まれたくつろぎスペース。
家具も低めにつくられていて、高い天井とのコントラストがきいています。
この空間にあわせてオリジナルでつくられたものでしょうか。
ロビー奥の窓手前には、地下へ通ずる階段があります。
この階段の吹き抜け部分もダイナミック。
下階はより天井高が抑えられたサロン風に。
ここにも、上階と同じピッチで柱壁がアーチを描いて連続しています。
オリジナルでデザインされたと思われる陶器質タイル。
曲面になっていて、一つ一つに花柄が描かれています。
実はこのタイルは、翌日別のところでも使われているのを発見しました。
エレベーターの扉枠も一体でつくられていました。
内部の意匠も建物の雰囲気にあわせてデザインされています。
本当に細部までとことんデザインのコントロールがされている建物。
しかも今では考えられないような素材とか、
お金もおそらく相当豊かにかけられている感じがします。
最近の建物みたいなハリボテ感がなくて、
重厚感があって、落ち着きます。
さて、前日は露天風呂のみでしたが、
翌日の朝はちょっとリッチな気分で建物内のレストランにて朝食を。
湖畔の水と緑を眺めながら。
丸い建物の平面形状。
ここがまた、天井も高くて伸びやかな空間。
窓枠が木製なのも素敵です。
椅子も座りやすく、ゆったりと寛げるデザインでした。
窓の上部には空調の吹き出し口が埋込まれていました。
機械的な設備等は露出させずに配慮されています。
間接照明の入った天井の形もおもしろいです。
そして前日に見たタイルがここにも。
何となくイスラムの中庭を思いだすような色彩と意匠。
湖畔の水と呼応して、爽やかさも感じさせます。
巨匠の建築。
全体的なデザインのテイストなどはおそらく好みも別れるでしょうが、
もう、ここまであらゆるディテールにこだわって、
全てにおいてデザインしてまとめているという
壮大な建築へのエネルギーと、建物がもつパワーと、
豊かなつくりはやはり圧巻で感動しました。
また来たいなって思わせる場所でした。
次はせっかくなので宿泊もしてみたいかな。
小さな旅でしたが、
大いにリフレッシュできた時間でした。
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